子どもと絵本を楽しむために
Fun With Child

おしまいに

 ただひたすら楽しみのために読んだ絵本が、どれほど大きなものをその子に、そして、その親にも与えてくれるかは、その子が大人になった頃にしかわかりません。もしも、本を読むことで何らかの“効果”を期待されるなら、スピードと効率が重視される現代では、なんともじれったい行為に映ることでしょう。

 それでもなお、私たちは、「子どもと一緒に絵本を楽しみましょう」と、くり返し申し上げたいと思います。なぜなら、私たちは、絵本の楽しさと、絵本が子どもにもたらすものの大きさを、いつも信じているからです。

馬場のぼる作
『馬場のぼる ねこのせかい』より